仕事・就職・キャリアとは何だろうと改めて考えてみた
先日、
「就活において、自身のこれからのキャリアに悩んでいる新卒ユーザーの一助となるような企画です。インタビュー受けてもらえませんか」
という依頼がありまして、これがまとまり掲載されました。
キャリアパークの就職エージェントという就活されてる方へ向けたサイトです。
進路を悩む方に少しでもお役に立てればいいなぁ、と質問に対して答えたところ、かなりのボリュームでまとめて頂きました。
お陰で昔私が若かった頃の気持ちも思い出し、逆に自分自身の考え方も整理できました。ぜひお読み下さい。
特別インタビュー | キャリアパーク就職エージェント
https://careerpark-agent.jp/interview/101-2
今回お世話になった企画・運営はこちらになります。
ポート株式会社
過去のミスマッチ
その上で、インタビューではどの業界にもあるような世間一般的な話が中心だったので、補足的に追記します。
カッコいいことばっかり言っても実際にはどうなんだ?
過去数年において、弊社に社員として加わってくれた方が入替わりに数人が在籍しました。
加工現場専門の方、事務方、デザイン方など、それぞれの方が多くの汗を流してくれました。
お陰で今の会社は成り立っています。
感謝しきれるものではありません。
ただ残念ながら、現時点では現場には入社20年のベテランが1名。
そして他の方は退職しています。
その入社理由・退社理由も様々でした。
入社理由は
職人仕事に憧れた。
モノづくりが好きだ。
お金を稼ぎたい。
退社理由は
わかってはいたけど、通勤時間の長さが思ったよりきつかった。
もっと大きい会社で働きたい。
その退社理由の中で、悩ましいなぁと思った一つは、
金型を削るのは難しくて感覚的に合わせられなかった。
でした。
どうしても早く仕上げたいとか、精度が出すのが難しい。という悩みです。
特に新人で慣れないうちは、焦る必要はないんだよ、失敗してもいいから。
という話もするのですが、自分に厳しく納得できない・過去やってきたことと違いすぎて慣れない。
などで結局続けられないという結果でした。
金型を作るのは難しい。
言われて考えて、自分が若い頃から振り返ると、時代が変わり技術も進み、同じ金型の作り方でもずいぶん変わったことに気が付きました。
楽になったのはあります。
昔は紙図面とにらめっこしながら図面形状を頭に思い浮かべる必要があったのが、
今ではパソコンで3次元モデルを描けて自由自在に動かし、形状確認できます。
刃物も多種多様に増え、好きなように削れます。
逆に難しくなったのが、硬い鉄を削る感覚だと思います。
昔はプログラムで動かすマシニングセンターではなく、自分の手でハンドルを回
して機械を動かす、いわゆる汎用機がメインでした。
お陰でこれは柔らかい。これは硬い。これは刃物が切れない。などの条件が手に伝わる振動・音から感じることができました。
自分は新人の頃は特に、この汎用機を毎日使うことで感覚を磨くことができました。
今の時代は機械も刃物も剛性が上がり、けっこう何でもゴリゴリ削っていってしまいます。
これはこれで素晴らしいし助かるのですが、もっと機械に優しく削るには?もっと無理してもいいのか?などを想像するのは難しくなったと思います。
特に今のコンピューター制御するマシニングセンターは朝から晩まで、さらに深夜もずっと連続で動くことができるので、見ていない時間で何が起こったのか見逃してしまいます。刃物が切れなくて無理してしまったのか?無駄な空運転な動きが多くなかったか?
汎用機では全てが自分の目の前だったので、試行錯誤がその場でできました。
現代のモノづくりでメリットだったものが、逆に職人技を難しくしてる最大のデメリットではないでしょうか。この微妙な差が、感覚としてわかる・わからないの差となっているのではないかと。
じゃぁ汎用機で修行すればいいよね、という話にもなり、それもあって弊社にはいまだに汎用機があります。が、コストダウンとライフワークバランスでの残業をしない。という壁が立ちはだかり、汎用機で型を作り技術を磨く時間的余裕がほとんどなくなってしまいました。弊社ではどうしてもマシニングセンターがメインなのです。
技能五輪を目指すような方をじっくりと養成できるほど体力のある会社も限られています。
限られた時間の中で感覚をつかむ。これには想像力が必要です。
でもこれが職人の仕事であり、難しいから仕事として成立している理由ではないでしょうか。
全てがコンピューターやロボットでできるなら、その仕事で人間は不要です。
モチベーションの作り方
どこにモチベーションを持っていくか?
これはすごく大事な部分だと思います。
どうしても楽にお金を稼ぎたい。
だけだと恐らく何をしてもうまく回らないと思います。
技術の需要と、技術の習得の難しさ。
そこに対価が得られやすいかどうか。
ライバルが増えれば価格競争になります。
難しい仕事だと習得して一人前になるまでも険しいです。
私は職人歴も30年になってきました。
ここまで必死に積み上げてきたからこそ、お仕事をいただけてるんだ、というのもあります。
誰にでもできる仕事であれば必要とされず、仕事も無かったと思います。
会社を経営する側として考えると、やはり金型を作ることを柱に、そこに付随する仕組みを作る必要があるなぁと思い至りました。
フェイスシールドを作り始めてから月日がたち、今は次の自社商品を開発しています。
今回は知育玩具です。
2022年9月にビッグサイトで展示会に出展も決まりました。
次のブログでその紹介をいたします。
今日も元気に金型作ってます!