機械の入替

ダイカスト用の金型は鉄でできています。

この鉄は、ドリルやエンドミルといった刃物を用い、
マシニングセンターやラジアルボール盤といった
工作機械で削っていきます。

ところが。
この刃物は回転させて削り取るという物理的な性質上、
きっちりと角の出た隅を作ることはできません。

そこで、電気の力を使います。
彫刻放電加工機という機械です。

鉄の金型に対し、銅やグラファイトなどを用いて
それを電気で雷を起こし、鉄の形を変えていきます。

自然の雷よりはずっと小さい雷ですが、
その力は絶大です。

雷が発生すれば熱も発生し、鉄が融解します。
それが油の中で行いますので急冷され、
さらに雷の衝撃で吹き飛んだり。

これを物凄く精密に制御し、
少しずつ少しずつ形を作るわけです。

弊社にもSodick製のEPOC3がありましたが
実に25年も!使用してきて限界を感じて入替になりました。

限界といっても、機械的にはまだまだ現役続行できそうでした。
トラブルが起きていたのは、コンピューター部。
実は、中にNEC製のPC98が搭載されており、
その起動に2DDフロッピーディスクが使われています。
そのフロッピーを読み込む磁気のヘッド部が
摩耗や汚れで傷つき、読み込めないエラーが出てきたためでした。

本当は、このドライブ部の交換も考えたのですが
配線コードなども劣化して
今やすっかりゴムなどが硬化し、
無理に動かせば断線するのは目に見えていました。

ずっと時代を共にしてきて、大変心苦しいのですが
これを機に手放すこととしました。

実に名機だったと思います。

ジャンプ速度が今の時代のものより遅く、
放電したカスが逃げずにかたまって異常アークが
起こりやすいというのは確かにありますが
油の噴流をきちんとかけてあげれば
とてもキレイな仕上がりになってくれました。

今までどれほど助けてもらえたか
数え切れないです。

そして、新しく入った放電加工機は
三菱電機のものになりました。

これについては、まだ実際に本番の加工をしてから
いずれまた書こうと思います。

今日も元気に金型作ってます!

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